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令和の今、「スター・ウォーズは12歳のための映画」というルーカスの原点を現代に蘇らせた『マンダロリアン&グローグー』。監督ジョン・ファブローとプロデューサーのデイヴ・フィローニが織りなす“究極のオタク”の情熱と、家族で共有できるファミリー映画の魅力を、制作進行の池部がオタク視点で深掘りします。
「スター・ウォーズ」の“産みの親”ジョージ・ルーカスは「スター・ウォーズ(以下「SW」)は12歳のために作られている」といった趣旨の発言を繰り返してきました。大人向けの複雑で高尚な物語ではなく、子どもたちが純粋にワクワクできる最高の娯楽映画であること―その原点であり「グランド・ナラティブ(大いなる物語)」としての「SW」を、見事なまでに現代に蘇らせたのが、マーベルコミックの映画『アイアンマン』の監督で知られるジョン・ファブローとアニメシリーズ『SW/クローン・ウォーズ』で総監督を務めたデイヴ・フィローニという“究極のオタク”です。
こうした「10代の刷り込み」の影響力を私自身が強く実感しています。私が小学生の時に第1作目(『SWエピソード4』)と出会って以来、新作が公開されるたびに映画館へ足を運んできました。『SW EP9 スカイウォーカーの夜明け』は家族で映画に行き、42年に渡って描かれた「サーガ」を見届けました。その同じ年の2019年、まだ娘が小学生だった頃に配信が始まった『マンダロリアン』は、コロナ禍でおうち時間が増えたことも重なり、家族みんなで吹き替え版を観ることが、ある時期の我が家の習慣になりました。
そして今年、2026年5月22日。劇場映画としては『スカイウォーカーの夜明け』以来、実に7年ぶりとなる新作『マンダロリアン&グローグー』が公開されました。7年前は中1だった息子は20歳になり、小4だった娘は高校生に。今ではそれぞれが個人のスマホで動画やスポーツのライブ配信を楽しむ時代ですが、この作品だけは「SNSのネタバレを踏まないように」と声を掛け合い、再び家族揃って映画館へ。バラバラのコンテンツを消費するようになった今、ファミリー映画としての力がこの作品にはありました。
今や高校生になった娘は、同じSWのスピンオフドラマ『キャシアン・アンドー』を観て、デイヴ・フィローニとジョン・ファブローの路線とは異なるトニー・ギルロイのリアルな重さがある作劇に戸惑いながらも、「戦争や政治」について考えてしまうと言います。
かつてルーカスが12歳に向けて放った弾丸が40年後の私を動かしているように、オタクたちが情熱を込めて作った物語は、確実に今の10代の心にも「何か」を刷り込み、思考の種を蒔いているのです。侵略や分断が絶えない現実世界だからこそ、民衆の多様性を描きつつ、個の絆と他者への愛を問いかける『マンダロリアン&グローグー』の物語は、いま再び、劇場という大きな広場で体験されるべきエンターテインメントなのだと感じています。