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#020_ハイブリッドなメモ術が企画を動かす〜紙とデジタルを使い分ける私の制作スタイル
2026.09.01
#020_ハイブリッドなメモ術が企画を動かす〜紙とデジタルを使い分ける私の制作スタイル

##アイデア整理

##企画発想

#メモ術

デジタル全盛の時代にあえて「A4用紙」を持ち歩く理由とは?手書きメモの自由さとデジタルメモの検索性を融合させた、CCO/プロデューサー上田独自の「ハイブリッドメモ術」とアイデア整理法を解説します。

紙とデジタルを使い分ける私の制作スタイル

「メモは全部デジタルで十分」。

そんな時代に、あえてA4の紙を持ち歩いていると話すと、少し意外そうな顔をされることがあります。でも、企画を考えるとき、取材で話を聞くとき、打ち合わせでアイデアをまとめるとき。私にとっては、紙とデジタルのどちらか一方では足りません。電気とガソリンの両方で走る車を“ハイブリッド車”と呼ぶなら、私の制作スタイルも、まさにハイブリッドです。

手書きメモの自由さと、デジタルメモの検索性。

この二つを行き来することで、発想も記録も、ぐっと自分にフィットするようになりました。今日はそんな、私なりのハイブリッドメモ術について書いてみます。
「紙のメモが好きだけど、デジタルも捨てがたい」
「アイデア整理がうまくいかない」そんな人には、案外ヒントになるかもしれません。

ハイブリッドとは、紙とデジタルの“いいとこ取り”

私は、考えるときやメモを取るときに、アナログとデジタルを併用しています。
どちらかに統一したほうがスマートに見えるのかもしれません。
けれど実際の仕事や発想の現場は、そんなに単純ではありません。

・発想を広げたいときは紙

・とっさに残したいときはスマホ

・後で探したい情報はデジタル

・原稿の修正やニュアンス確認は手書き

こうして役割を分けてみると、無理に一本化するよりも、はるかに自然です。
メモ術というより、これはもう自分の頭の使い方に近いのだと思います。

企画打ち合わせでは、パソコンより先にA4の紙を出す

企画の打ち合わせでは、私はまずA4のコピー用紙を出します。ペンはフリクションボール。パソコンもそばに置いてはいますが、議事録をパソコンで打つことはほとんどありません。

理由はシンプルです。
キーボードで書き起こすと、どうも記憶に残りにくい。
もちろん、タイピングのほうが速い場面もありますし、整った記録を残すには便利です。でも、アイデアを生む場では、速さや整然さだけでは足りません。

打ち合わせ中というのは、言葉がまだ“途中”の状態で飛び交っています。
誰かの一言が別の言葉を呼び、そこから全然違う方向へ話が転がる。

そういう瞬間に必要なのは、きれいな記録よりも、思考の火花を逃さないことです。
紙に手書きしていると、単語を囲ったり、矢印を引いたり、余白に補足を書いたり、思いついた別案を横に逃がしたりできる。
しかも、それを一瞬でできます。
この自由さが、私にはとても大事です。

別々に見えた言葉同士をつないだ瞬間に、急に企画の芯が見えることがあります。
紙の上では、情報が“整列”するのではなく、“化学反応”を起こしてくれるのです。

手書きメモは、記録というより“思考の跡”が残る

手書きの良さは、字のうまさとはあまり関係ありません。
むしろ私のメモは、かなり書き殴りです。人に見せられるようなものではありません。それでも紙のメモが役に立つのは、そこにその時の場面や温度が残るからです。

たとえば、急いで殴り書きした文字。
勢いで引いた線。
あとから書き足した一語。
思い切り丸で囲ったフレーズ。そういうものを見ると、「ああ、この時ここで話が跳ねたんだった」と、その場の空気ごと思い出せることがあります。

ただ情報が残っているだけではなく、考えていた過程そのものが残っている。
これが、私にとってはかなり大きいのです。

デジタルメモは整っています。検索もしやすい。
でも、整っているがゆえに、発想が生まれた“揺れ”や“迷い”が見えにくいこともあります。

企画というのは、必ずしも一直線に進むものではありません。
むしろ、少し脇道にそれたところから面白いものが出てくる。

だから私は、修正の跡やメモ書きの跡を消さずに残したくなります。

紙を持ち歩くための小さな工夫。「ペーパージャケット」という相棒

A4の紙を使うとなると、持ち歩き方も大事になります。
ただ鞄に入れているだけでは、すぐに折れたり、端が傷んだりしてしまうからです。

そこで使っているのが、ペーパージャケットという紙専用のホルダーです。
やっていることは本当にシンプルで、紙を挟むだけ。けれど、これが意外といい。
バインダーのようにかさばらない。
持ち運びしやすい。
閉じておけるので紙が傷みにくい。こういうところにも性分が出るのですが、私はクシャクシャの紙に書くのが苦手です。中身は書き殴りでも、紙そのものはなるべくきれいな状態で持っていたい。ちょっとしたことですが、こういう気分の良さは、思考のリズムに案外影響します。
アイデア整理や企画メモは、書くハードルが低いほど続きます。
道具が大げさすぎないこと、すぐ出せること、気持ちよく使えること。
こうした小さな使い勝手も、意外と大切だと思います。

A4の紙が使えない場面では、スマホのメモが頼りになる

もちろん、いつでも紙が使えるわけではありません。電車の中、移動中、立ったままのとき、突然思いついたとき。そんな場面ではスマホのメモが圧倒的に便利です。
思いつきというのは、不思議なくらいすぐ消えます。
「覚えておこう」と思ったものほど、消えていきます。

だから、浮かんだ瞬間にスマホへ入れる。ここでは、きれいに書こうとはしません。
断片でも、言い切れないままでも、とにかく残す。このスピード感は、デジタルならではです。しかも、デジタルには大きな強みがあります。
それは、やはり検索できること。今、スマホのメモ数を見たら3,086件ありました。かなりの量ですが、項目ごとにフォルダ分けしておけば、必要なときにキーワード検索でだいたい見つかります。

紙のメモは発想に強い。デジタルメモは蓄積と検索に強い。

この役割分担があるから、私は両方をやめられません。

スマホで手書きしない理由。iPadでは手書きする理由

デジタル機器でも手書きはできます。
実際、スマホでも手書き入力は可能です。

でも、私はスマホで手書きはほとんどしません。理由は単純で、スペースが狭すぎるからです。手書きの魅力は、自由に飛べることにあるのに、画面が小さいとその自由が出にくい。
結果として、スマホでは文字入力のほうが実用的になります。

一方で、iPadでは手書きを使います。特に原稿をいったんPDFにして、そこへ修正を書き込むやり方はよくします。これも、単に直せればいいという話ではありません。
私が欲しいのは、修正の“跡”なのだと思います。どこに違和感を持ったのか。
どこを削ったのか。
どんな言葉に置き換えたかったのか。そうした思考の動きが見えると、文章全体のバランスもつかみやすい。つまり私は、デジタルを使っていても、どこかでずっとアナログ的な感覚を求めているのです。ここにも、私なりのハイブリッド思考が表れている気がします。

「全部デジタル」でも「全部紙」でもなく、自分に合う形を選べばいい

メモの取り方に、正解はありません。

全部デジタルの人もいれば、ノート一冊で完結する人もいる。
どちらも、その人に合っていれば十分です。

ただ、

・デジタルメモだと発想が広がりにくい。

・紙のノートは好きだけれど、後で探せなくなる。

・アイデアが散らかって、企画にまとまらない。

・自分に合うメモ術がまだ見つかっていない。

そんな感覚があるなら、紙とデジタルを対立させないやり方を試してみてもいいかもしれません。

発想は紙に逃がす。
保存と検索はデジタルに任せる。
修正は手書きでニュアンスを残す。
移動中のひらめきはスマホに素早く置いておく。

そのくらい柔らかく考えたほうが、案外うまく回ります。

道具を統一することよりも、自分の頭が自然に動く形を見つけることのほうが大切です

今日の打ち合わせから試せる、小さなハイブリッド習慣

大げさに環境を変えなくても、始め方はとても簡単です。

たとえば次の打ち合わせでは、パソコンだけでなくA4の紙を1枚置いてみる。

議事録を完璧に取ろうとする代わりに、気になった言葉だけを手で拾ってみる。
関係がありそうな単語同士を線でつないでみる。
会議の帰り道で浮かんだことを、そのままスマホのメモに足してみる。

それだけでも、いつもの情報整理とは違う景色が見えてくるかもしれません。

メモ術というと、つい「どのアプリがいいか」「どんなノートがいいか」という道具の話になりがちです。

でも、本当に大切なのは、自分が考えやすくなる道具を、その場面ごとに選ぶことなのだと思います。

紙には紙の得意なことがあり、デジタルにはデジタルの得意なことがある。

どちらか一つを選ぶ必要はありません。

あなたは、紙派でしょうか。デジタル派でしょうか。
それとも、すでにハイブリッド派でしょうか。

次に何かを思いついたとき、「どこにメモするか」をほんの少し意識してみる。

そこから、いつもとは違うアイデアが動き始めるかもしれません。

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