#human rights
#rights
#人権
#権利
社名に冠する「Rights(権利)」の真意とは?フィンランド企業との偶然の出会いから気づかされた、ビジネスとしての権利と「人権(Human Rights)」の繋がりを綴ります。
制作進行 池部 博哉 (いけべ ひろや)
「Rights(ライツ)」という言葉から、皆さんは何を連想されるでしょうか。知的財産権、著作権、あるいは放送権……。映像制作の世界に身を置く私たちにとって、これらは日常的に飛び交う、いわば「ビジネス用語」です。しかし、ふとした瞬間に「自分たちにとってのRightsって、本当は何だろう?」という素朴な疑問が頭をよぎることがあります。そんな疑問に、一つの温かな答えをくれた、ある小さな出会いがありました。
仕事柄、最新の映像技術や業界の動向をリサーチするために、東京ビッグサイトや幕張メッセなどで開催される展示会へ足を運ぶことがあります。今はウェブサイトや動画でいくらでも情報が手に入る時代ですが、広い会場を歩き回る醍醐味は、やはり「偶然の出会い」にあります。当初の目的とは違うブースにふらりと立ち寄る——そんな“寄り道”の中にこそ、新しい発見やインスピレーションが隠れている気がするのです。
ただ、私には悩みがありました。海外企業のブースも多いため、英語でのコミュニケーションに苦手意識があり、興味があってもなかなか声をかけられずにいたのです。
そんな中、ある展示会でフィンランド企業が集まるブースに目が留まりました。アパレルや日用品、住宅関連など、そこに並ぶのはシンプルで機能的、そしてどこか温かみのあるデザインばかり。私は吸い寄せられるように、その空間へ足を踏み入れました。
案の定、現地のスタッフの方から英語で話しかけられました。内心焦りながら、しどろもどろで「I’m sorry, I can only speak Japanese.(すみません、日本語しか話せなくて)」と伝えると、彼女は少し困ったように、でも優しく笑ってこう言いました。
“I can’t speak Japanese either, and the staff who can speak Japanese are currently on break. But since it’s a great opportunity, let’s talk a little.”
「私も日本語は話せないの。日本語ができるスタッフは今、休憩中。でもせっかくの機会だから、少しお話ししましょう」
その場の柔らかな空気に背中を押され、私たちは名刺交換をすることになりました。私の名刺をじっと見ていた彼女が、興味深そうに尋ねてきました。
「Rights? 権利関係の仕事をされているの?」 「プロダクション・アシスタントって、具体的にどんな仕事?」
不意の質問に戸惑いつつも、iPhoneの翻訳アプリを片手に必死に説明を試みました。「ライツという社名で、子ども向けのテレビ番組や映像教材を作っていること」「アニメーションや音楽など、コンテンツの『権利(Rights)』を扱う仕事であること」。
たどたどしい英語でしたが、彼女は真剣にうなずきながら聞いてくれました。そして、別れ際に彼女が言った言葉が、深く心に響いたのです。
「子ども向けのコンテンツを作るなら、『Human Rights(人権)』は、何よりも大切なテーマね」
私たちの日常業務において「権利」とは、契約や法律に基づいたビジネスの権利を指します。けれど、本来この言葉が持つ意味は、もっと根源的で、人間そのものに関わるものではないでしょうか。
誰もが持っているはずの、当たり前の権利。しかし、変化の激しい現代社会において、その「当たり前」は時に簡単に揺らいでしまいます。だからこそ、コンテンツを制作する側にいる私たちが「何を、どう伝えるのか」を考えるとき、この「Human Rights」という視点は、これからますます重要になっていくのだと強く感じました。
会社の名前である「Rights」。 それは単なるビジネス用語の枠を超えて、ひとりひとりの尊厳や、健やかな未来を守るという、広く深い意味を内包しているのかもしれません。
あの日、言葉は完全には通じなかったけれど、フィンランドの彼女との短いやりとりは、私に大切な道標を与えてくれました。ビジネスとしての「Rights」を大切にしながら、その根底にある「Human Rights」を形にできる制作会社でありたい。今、そんな決意を新たにしています。
見積依頼、お問合わせ等はアイコンをクリックしてください!